すべての人々を祝福する
人々を祝福し、無病息災を願う伝統文化が
幸生には100年以上も昔から続いています。
その伝統を受け継ぐ幸生牛もまた、
大切な方への祈りを込めて、幸せを運びます。
人々を祝福
する踊り
「幸生大黒舞」
幸生鉱山が栄えていた江戸時代から生まれた「幸生大黒舞」。
大黒舞とは、七福神の大黒天様の衣装に身を包んで、歌いながら舞う、人々を祝福する伝統芸です。
大黒天様とは、「五穀豊穣の神」「台所の神」と呼ばれる福の神です。
商売繁盛や豊作の信仰を集めており、幸生のひとびともまた大黒天様に豊かな幸せを祈っていました。
幸生大黒舞では、大黒頭巾をかぶり、片手に打出の小槌、片手に扇子を持って、大黒天様のようなほがらかな笑顔で舞を披露します。
サァサァ 舞い込んだ 舞い込んだナー
コラ 何がさてまた 舞い込んだナー
御聖天が先に立ち 福大黒が舞い込んだナー
※山形大黒舞歌詞一部抜粋
当時は門付芸のひとつで、お正月に家の前で祝いの詞をうたいながら舞うものでした。人々は大黒舞を見て、「苦しい時こそ明るく笑い、将来長者になろう」と奮起したといわれています。
自らが大黒天様となり人々を祝福する姿は、多くの人の心を掴み、大変喜ばれるものです。幸生牛も大黒天様のように、みなさまのもとへ幸せを運びます。
無病息災を願う
「やんまい送り」
江戸時代末期のおよそ140年前から行われている、無病息災の願いを込めた伝統のお祭りです。
鬼の絵やお団子をつけたナラの枝木や「家内安全」など書かれたのぼりを掲げて行列をつくり、幸生地域を練り歩く行事です。
太鼓と笛の音を流しながら、小さな子供からお年寄りまで、幅広い世代の住人たちが歩幅を合わせてゆっくりと歩む様子は、とても豊かで平穏な情景です。
やんまい送りは、疫病で苦しんだ時代背景からはじまりました。
医療が発達していない時代、疫病や伝染病が発生するとまたたく間に流行してしまい、多くの人が亡くなりました。
そんな時代の中で、病(やんまい)も災いも、悪いことを全部取り除いてしまおうという祈りを込めて、この「やんまい送り」を毎年行うようになったのです。
やんまい送りは、今も毎年3月第二日曜日(旧暦2月8日付近の日曜日)に行われている、年中行事。個人の平穏だけではなく地域全体の平穏を願う伝統が、幸生には深く根付いています。